アイ・オー・データのPLCアダプターとKDDIのPLCセット
松下電器のPLCアダプターに続き、アイ・オー・データもPLCアダプターを出してきました(情報元:HF-PLC WatchingSite)。スペックは松下電器のBL-PA100と同じもの。OEMである可能性が高いと思います。
I・O DATAのPLC(高速電力線通信)アダプター
アイ・オー・データのPLCアダプターは、親機と子機の2台セットである「PLC-ET/M-S」と、子機単品の「PLC-ET/M」の2種類で、松下電器と同じラインナップです。
発売予定は12月下旬、価格は2台セットで21,000円、子機単品で13,650円となっています(詳細はこちら)。
2台セットのPLC-ET/M-Sでは、最初から2台の初期設定が済んでおり、そのまま利用できるのが特徴。子機追加の場合でも、松下電器と同じようにボタン1つで簡単に設定できます。
セキュリティも松下と同じでAES128ビットによるもので、現状ではほぼ解読不可能と言えるものです。
スピードは理論値が190Mbpsですが、UDPの最高が80Mbps、理想環境のTCPで55Mbpsとなっています。これも松下とまったく同じです。参考までにスペックを載せておきます。
PLC-ET/Mスペック
規格:「HD-PLC」方式
最大接続台数:最大16台(推奨値)(親機1台に対し、子機最大15台) ※1
周波数範囲:4MHz~28MHz
通信方式:Wavelet OFDM方式
通信速度(PHYレート) :最大190 Mbps※2(理論値)
アクセス方式:CSMA/CA
エラー訂正方式 符号化:畳み込み符号とリードソロモンの連接符号
復号化:ビタビ復号およびリードソロモン復号
セキュリティ AES 128 ビット暗号化
通信距離:屋内150m※3
※1: PLCアダプターの増設が多いほど、PLCアダプターの性能に影響を与えます。
※2: 表示の数値は、本製品方式の理論上の最大値であり、実際のデータ転送速度を示すものではありません。
※3: 通信距離は使用環境によって変化します。
接続できない場合は、機器代金を返金
松下との違いは「AAAキャンペーン」と名づけた独自のキャンペーンを行うこと。3つの独自サービスを2月28日まで行います。
1:2台セットで設定済み
2:専用サポートダイヤル「PLCホッとダイヤル」設置
3:接続が不可能な場合に返金する「PLC・ペイバックシステム」
なかなかうまいところを突いてきました。すでにITProでレポートされていますが、テーブルタップを使ったり、ノイズの多いACアダプター・携帯の充電器を使うと、PLCは接続できない場合があります。この不安感を解消するためのキャンペーンです。2台セットのPLC-ET/M-Sに限られますが、接続できなかった場合は返金するそうです。念のために返金の条件を掲載しておきます
アイ・オー・データの「PLC・ペイバックシステム」
※ 対象製品ご購入後2週間以内に「PLCホッとダイヤル」へご連絡いただき、解決できなかった場合にのみ適用されます。トラブルの解決に2週間以上必要となった場合も、お問い合わせの受付がご購入後2週間以内であれば適用の対象となります。
※ 適用範囲は、「PLC-ET/M-S」に同梱されている親機・子機をセットで使用し、通信できなかった場合のみ対象とさせていただきます。適用の場合、お客様にご購入いただいた代金を弊社が直接ご返金させて頂きます。ただし、接続対象となるパソコン本体やルーター、モデム等のご購入代金は対象となりません。
※ 個人の方で、戸建住宅、マンション、アパートのみ適用とさせていただきます。また、建物間での通信接続は、適用外とさせていただきます。
※ 法人でのオフィス、工場等でのご使用は、適用外とさせていただきます。
※ ご返金の際は製品一式が到着後、2週間前後でご指定の口座へ振り込ませていただきます。
※ 190Mbps(理論値)での接続を保証するものではありません。接続速度については、ご使用環境により異なります。
※ ご返金の際はご購入代金を証明するレシート及びキャンペーンシールの貼ってある箱が必要となりますので、大切に保管ください。
※ 「PLC・ペイバックシステム」の詳細は、ご購入後「PLCホッとダイヤル」にてご確認できます。
※ 「PLC・ペイバックシステム」のご利用は、お一人様につき1セットまでとさせていただきます。製品の状態によっては、返品をお受けできない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※ 対象商品がなくなり次第終了とさせていただきます。
医療機器への影響を与える場合ありと明記
また感心なことに、他の機器への障害を与える場合があると、小さいながらも注意書きを付けています(HF-PLC WatchingSiteでも紹介されています)。注意書きには、医療機器に影響を及ぼす恐れがあること、電源タップやUPS、サージフィルターをはさんで利用できないことなどが明記されています。高齢者で自宅療養している場合などは、使わないほうがいいでしょう。
アイ・オー・データ PLCアダプターの注意書き
※ 本製品は屋外での使用は禁止されております。
※ 手術室、集中治療室などの電源コンセントには接続しないでください。
本製品の高周波信号が、医療電気機器に影響を及ぼすことがあり、誤動作による事故の原因となることがあります。
※ 本製品の使用により、近傍の無線設備に継続的かつ重大な妨害が発生する時は、妨害を除去する必要な措置を命じられることがあります。
※ 本製品をご使用になる場合は、電源タップなどを使用せずに、壁のコンセントへ直接挿し込むことをおすすめします。
※ 本製品をバックアップ電源装置(無停電電源装置[UPS]など)に接続することは避けてください。
※ 本製品を雷サージ対応、またはノイズフィルター付き電源タップに接続しての使用はできません。
※ 電化製品には電気ノイズを発生するものがあり、電気ノイズが電力線を通ると、PLCアダプターの性能、通信速度に影響を与えることがあります。電気ノイズが発生しやすい電化製品にはノイズフィルターを付けることをおすすめします。電気ノイズが発生しやすい電化製品は以下のものがあります。
調光機能付き照明器具やタッチランプなど、充電器(携帯電話機の充電器を含む)、ヘアドライヤー、掃除機、電気ドリル、「HD-PLC」方式を使用していないPLC製品、他の無線設備。アイ・オー・データ PLCアダプターのFAQ
Q: ACタップにPLCアダプターを接続して使えますか?
A: あまりお奨めできませんが、ご使用できます。雷サージ対策、ノイズフィルター付きACタップでは、ご使用できません。無停電電源装置への接続も避けてください。Q: PLC通信に影響を与える電化製品はありますか?
A: ヘアドライヤー、掃除機、電気ドリル、その他に調光機能付き照明器具、タッチランプ、携帯電話機等の充電器も影響を与える場合があります。Q: PLCアダプターが影響を与える電化製品はありますか?
A: 短波ラジオ、調光機能付き照明器具、タッチランプやラジコン、ワイヤレスマウス等の機器に影響を与える場合があります。
KDDIの宅内LANサービスとしてPLCアダプター提供
またインターネット回線事業者としては初めて、KDDIが「ひかりoneホーム」のサービスの1つとしてPLCアダプターを提供すると発表しました(ITproの記事はこちら)。
これは光サービスの「ひかりone」の宅内LANサービスの1つとして行われるもので、「高速PLCモデム」と「同軸ケーブルモデム」を用意しています。PLCアダプターでは上記のアイ・オー・データのPLCアダプターを利用するもので、ユーザー向けにPLCアダプターを販売。同軸ケーブルモデムとは、テレビアンテナの配線を利用するもので月額840円でのレンタルとなります。
またキャンペーンとしてアイ・オー・データ製のPLCアダプターの2台セットを、先着500名に1万3800円で優待販売するとのことです。受付は12月9日から、ひかりoneでの利用では、DION、@nifty、BIGLOBE、DTI、So-net、ASAHIネットが対象プロバイダーとなる見込みです。
これで松下電器、アイオーデータと製品が登場し、KDDIも提供することになりました。続けてロジテック、韓国製アダプターなどが年内に登場するかもしれません。かなり動きが早くて戸惑う感じです。
個人的な話になりますが、12月頭にはPLCアダプターを入手してテスト記事を、どこかに載せたいと考えています。スピードの実証記事はいくつか出ていますが、短波に与える障害の記事は出ていませんから、できるだけ早くレポートしたいと思っています。