ドコモ・702iシリーズ:デザインケータイの考え方
すでに各所で報道されていますが、1月17日に青山スパイラルホールで、NTTドコモの新シリーズ・702iの発表会が行われました。各機種の詳細は下のリンクを見てもらうとして、702i全体のイメージとケータイデザインの問題を考えてみます。
702iシリーズはNTTドコモ・FOMAのエントリーモデル。902iシリーズなどの「90xi」が最高機能のフラッグシップシリーズであるのに対して、「70xi」は機能をカットして小型軽量化と低価格を目指したシリーズです。
今回の702iシリーズでは3機種に「iD」というモデルナンバーが付いています。N702iD、SH702iD、F702iDの3機種は、外部クリエーターが参加したもの。「iD」というモデルナンバーは、デザインケータイの「D」と考えてもいいでしょう。
デザインにこだわったケータイは、auのデザインプロジェクトをきっかけとして各社から多くのモデルが登場してきました。他社モデルとの差別化を図るために、個性の強いデザインを取り入れたケータイを投入するのは時代の流れです。
ところがデザインの自由度を求めると、機能がカットされてしまいがちです。最新の機能を入れるにはボディが大きくなってしまうこと、先に機能ありきのためにデザインが犠牲になってしまうことが理由です。そのため多くのデザインケータイは一歩遅れたモデル、たとえばauならWINではなくCDMA 1Xで、NTTドコモならFOMAの90xiシリーズではなく70xiシリーズやmovaで登場してくるわけです。
結果として「クールなデザインのケータイ=技術的には一歩遅れる」という構図ができてしまっています。これは本当に残念なこと。もっとも売れるのはやはり最新技術のケータイですから、本来ならそこに斬新なデザインを投入すべきです。
今回のNTTドコモ・702iシリーズでは、デザインケータイでも積極的に最新機能に取り組んでいます。たとえばF702iDでは、702iシリーズでは唯一のおサイフケータイ(モバイルSuica含む)対応機で、指紋センサーも載せています。残念ながらプッシュトークはありませんが、それを除けば902iシリーズ並みの機能があると言ってもいいでしょう。その上で曲面を中心とした美しいフォルムのケータイとして仕上がっていますから、注目度は高いでしょう。
またN702iDは広告界の超売れっ子・佐藤可士和氏によるもので、iチャネルのニュースや天気予報を見られる横長の背面EL液晶を搭載。閉じたままで電光掲示板のようなニュースを見られるのが特徴です。iチャネルというサービスを最大限に生かすハードだと言っていいでしょう。
このように702iのデザインケータイでは、できるだけ最新機能を載せていこうという姿勢が伺えます。これを可能にしているのは、デザインするクリエーターとメーカー技術陣が密接な連携しているため。2年に渡って開発に取り組んでいるとのことで、お金だけでなく時間をかけていることが伺えます。デザイナーと技術陣のコラボレーションに成功したいい例です。
ただし「コラボレーション」とは言っても、そうそう上手くはいかないはず。
デザイナーが求めるもの、技術陣が求めるもの、コンセプターが求めるもの、それぞれをぶつけあって調整していく必要があるからです。今後の携帯電話開発では、この「意思疎通と調整」がもっとも重要になってきそうです。
単に外部の辣腕クリエーターを連れてくるだけでなく、技術の開発陣と、商品開発のマーケティング担当者をうまくすり合わせるコントロールセンターを持つ必要があります。メジャーリーグでのゼネラルマネージャー(GM)にあたる人物が、携帯電話の製品開発にも必要になると思われます。かなり難しい要求ですが、携帯電話開発のゼネラルマネージャーを養成すること、これがケータイ会社にとって大きな課題になるでしょう。
●参考サイト
NTTドコモ情報に詳しい人気ブログ。702i各機種の詳細をレポート
DoCoMo情報サイト
ケータイ最新レビューブログ。702iシリーズの個別機種を詳しくレポート
携帯電話新機種 使いたおし (ケータイレビュー)
NTTドコモ情報をいち早く紹介。702i各機種のスペックを一覧チェックできる
DoCoMo情報配信基地
ケータイ総合情報ブログ。702iだけでなく各社の最新情報がつかめる
■Do!ケータイblog編集局