ソフトバンクもテザリング対応決定!iPhone5での下取り強化・旧モデル家族譲渡割引も


2012年9月19日、iPhone5発売二日前に、ソフトバンク・孫社長が緊急会見を行いました。auが先に発表していた「テザリング」を、ソフトバンクも導入する、つまり「テザリング解禁」と決断したのです。2012年9月19日22時30分更新

2時間前予告の超緊急会見は「テザリング解禁」だった

iPhone5発売を迎える3日前、孫社長はTwitterの「テザリングに対応してほしい」というTweetに対して「検討しましょう。」と答えました。


テザリングやりましょう
そして翌日の9月19日、13時にソフトバンクからメールが飛んできました。15時から、水天宮のロイヤルパークホテルで緊急会見を行うと。わずか2時間前予告の緊急予告による孫社長記者会見です。たった2時間前にも関わらず、メディアが勢ぞろいしました。
iPhone5テザリング
最大の目玉は、やはりテザリング。テザリングとは、iPhone5などのスマートフォンをインターネット接続機器として使えるサービス。iPhone5を中継器のように使って、パソコン・ゲーム機・スマートフォンなどのインターネット接続できるものです。
ドコモはAndroidで可能なほか、auでもiPhone5で対応すると発表していましたが、ソフトバンクは昨日まで「ネットワーク的に苦しい。とりあえずは対応しない(宮川CTOコメント)」としていました。
しかしiPhone5発売の2日前に、孫社長の決断で、2013年1月からiPhone5でのテザリング解禁を発表したのです。

ソフトバンク、iPhone5のテザリング詳細

9月19日発表の、ソフトバンクのテザリングについて、ポイントをまとめます。

・iPhone5のみ対応。iPhone4S、4、3GS、3Gでは対応せず

・3ヵ月後の2013年1月15日スタート

・料金はパケット定額にプラス「月額525円(テザリングオプション)」。2年間は無料にする

・パケット料金総額は
パケット定額 for 4G LTE iPhone5専用:5460円/月
テザリングオプション:525円/月
合計で5985円/月、ただし2年間は5460円/月

・テザリングオプションでは「7GB規制」あり。7GB超は128Kbps制限

基本的には、auとほぼ同等。割引を含めるとちょっとだけ安い線を出してきました。
auとの違いは、テザリングなしならパケット量制限がないこと。ソフトバンクのテザリングなしなら、無制限となります。テザリングありなら、ほぼ同等の料金と考えていいでしょう(詳細な比較は後ほど)。

ネットワークは果たしてもつのか?


ソフトバンクのネットワーク担当・宮川CTOは、数日前に「テザリングはネットワーク的に苦しい。とりあえずは対応しない予定」とコメントしていました。しかし昨日帰国した孫社長は、Twitterの要望の多さを見て、昨日に「テザリング解禁」を決断したとのこと。
ネットワーク的に大丈夫なのか?という質問に対しては、

・LTE導入により、データ通信をLTE側に流せる。なので負担が分散される
・LTEでは音声電話を使用しない。データ通信だけなので大丈夫と判断した
・プラチナバンド導入によって、エリアが広がり、ネットワークの負担も分散されている
・他社(au)も同じような状況でテザリングを導入した。うちもできるはず
・2013年1月の導入まで3ヶ月ある。それまでに大幅増強する
・プラチナバンド基地局増強と合わせてやる

とを述べて、テザリングでもネットワークがもつことを強調していました。またソフトバンクが、最近ネットワーク障害を出していないことを強調し、「うちの実績を見て欲しい。」と囲みでコメントしています。

ただしこればかりは、見込みの話です。基地局数もネットワーク状況も、この3ヶ月で行う増強を元にしたコメント。
auとソフトバンク、どっちが有利?という話は、「ふたをあけてみないと、わからない」というのが正直なところだと、筆者は思っています。

iPhone5購入時の下取り価格を強化


さらにiPhone5購入時の、旧iPhoneの下取り価格を強化すると発表。HTCのモデルまで対象にしたのは驚きです。

スマートフォン下取り価格一覧

iPhone4S 64G:20,000円、32G:18,000円、16G:16,000円
iPhone4 32G:12,000円、16G:10,000円、8G:8,000円
iPhone3GS 5,000円
iPhone3G 4,000円
Android HTC 3,000円
Androidb Dell 2,000円

なかなか思い切った下取り策を提示してきました。中古の市場価格よりは安いものの、中古市場の価格をキープする(下支え)意味もあります。
新車を買うときに「中古でも高く売れるから」という理由で、高級車や人気車を買うことがあるでしょう。それと同じで、iPhoneなら中古市場がしっかりしている、と考えて購入する人もいるでしょう。キャリアによる下取りは、長期的に見てかなり有効な施策と思われます。なお買い取った中古機は、整備した上で、海外に販売するつもりとのこと。囲みでは「SIMフリー化して出すことになるだろう」とコメントしていました。


ただし、この下取りですが、1ヶ月に1,000円ずつ、料金から引かれる仕組みです。たとえばiPhone4Sの64GBは、2万円の割引ですが、1,000円ずつ20ヶ月に渡っての割引となるのです。20ヶ月使わないと、下取り価格分がもらえない、という点は頭に入れておく必要があります。

今まで使っていたiPhoneを家族に譲ると、家族のパケット定額が1,980円に


もう一つ、iPhone5購入で、面白い割引を打ち出してきました。「LTEスマホ家族キャンペーン」です。
iPhone5を購入した際に、今まで使っていたiPhoneを家族に譲り、家族が新規契約したとします。その場合、家族のパケット定額(パケットし放題フラット)が大幅に安くなって、1,980円/月で使えるというもの(ただし2年間)。
通常は4,410円ですから、約2500円の割引が2年間続くことになります。使い終わったiPhone4SやiPhone4が生かせるわけで、子供さんに契約させるのには最適だと思います(比較的レアなパターンなので、実際に使う人はそれほどいないように思われますが。。。)

割引オプションが複雑に。現場対応では混乱も起きそう

またすでに発表されている「かいかえ割」というものもあり、下取り、家族キャンペーン、さらに自宅のブロードバンド契約と合わせて割引するLTEスマホBB割、など割引オプションが非常に複雑になってきました。
以前の機種、契約スタイルによって、毎月の料金が大幅に変わるため、かなり厄介です。iPhone5契約時も、現場での混乱が予想されます。

合わせて注意したいのが、新たにスタートした「LTEスマホ24時間通話定額」です。これは月額500円で、24時間いつでも、ソフトバンクあての通話料が無料になるというオプション。
時間を問わず無料になるので魅力的ですが、今でもホワイトプランでは一部の時間帯を除いて無料です。本当に必要なオプションなのか、慎重に考える必要があります。
きちんとしたシミュレーションをまだしていませんが、筆者の予想としては、加入する意味はあまりないように思われます(暫定的な意見ですので、後で変わる可能性もあり)。

テザリング解禁、下取り・割引強化によって、ソフトバンクのiPhone5はとても魅力的になりました。しかしながら、iPhone5購入にあたって、どのオプションに入るのかよく考え、不要な抱き合わせオプションに強制加入されないように注意したいものです。


色々ありますが、孫社長のパフォーマンスは相変わらず冴えているなあと感じました。
当日のリアルタイムツイートは、下記でまとめていますので、よろしければごらんください。


以上(2012年9月19日22時30分)


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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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