2013年IT業界重大ニュース
2013年、ネットとPC・スマホを巡るニュースが色々ありました。私が注目した十大ニュースをメモにしたので公開しておきます
J-WAVEの「Jam the WORLD」出演のためにまとめたものです。ほんとに単なるメモ書きですがw
野中英紀ナビゲートのJAM THE WORLD。今年も今日を含め残りあと2日。今夜は年末恒例の振り返り企画として、2013年のIT業界重大ニュースに注目!ITジャーナリストの三上洋さんにIT業界の今年の話題を紹介して頂きます。#jwave #jamtheworld
— JAM THE PLANET (@jwavejam) December 30, 2013
この出演は、許可をもらってツイキャス配信しました。録画はこちらです
★LINE、世界で3億人を突破。
スマートフォンの高機能メッセンジャー、LINEのユーザー数が3億人を突破。日本発のネットサービスとしては史上最大のヒットとなった。2億人から3億人へは、たったの4ヶ月で記録しており、今後も伸びが期待される
・スペイン・メキシコなどのスペイン語圏
・フランス・ドイツ・イタリアなどの西ヨーロッパ地域でも人気拡大
・注目はインド。3ヶ月で1000万人超え
・LINEの収益源は、実はスタンプではなく、ゲーム課金
・日本国内は4800万人、スマートフォン人口が5000万人と言われているので、ほぼすべて、ただし頭打ちとも言える
・LINEでの問題も多発
・援助交際、詐欺などの犯罪に利用される
・中高校生の間では、グループによる人間関係のトラブルに発展。「LINE外し」も
★Windows8.1
タブレット志向、反響はイマイチ。。。
マイクロソフト離れを加速する可能性
「Business Insider」によると2009年にコンピュータのシェアの7割を持っていたWindows、いまでは24%に。Androidのシェア拡大が大きい
・スマートフォン:Android、iOSが制覇。Windows Mobileの惨敗
・タブレット:Android、iPadが圧倒的に強い、Windowsタブレットは高価格、Surfaceも伸び悩み
・PC向けOS:Apple Macの伸び
・ノートPC:Chrome book
・アプリケーション:Officeは相変わらず強い。しかしクラウドコンピューティング利用増により、ブラウザ上での利用増加。Officeを使わなくて仕事ができる機会が増えてきている
★中高校生に人気となった「ツイキャス」、スマートフォンのネット生動画配信
日本のベンチャー・モイ株式会社が提供している、スマートフォン向けのネット生動画配信サービス「ツイキャス」が人気に。ユーザー数400万人を突破し、ブラジルなど海外でもユーザーが増えている
・iPhone、Andoridなどスマートフォンだけで動画配信が可能
・ツイッターとの連携で、配信者と視聴者のコミュニケーションができる
・他のネット生配信と比べて、よりパーソナルで配信者の個性を出したものが多い(電話のようなユーザーとの会話など)
・ロンドンブーツの敦さんが使ったことから3年前に注目を集めた
・今年になって、中高校生のユーザーが激増。スマートフォン普及率が高まったため
・テレビ番組が取り上げたことから秋ごろから利用者数拡大
(スタジオ実演)
★3Dプリンターの大ブーム
単純に言うと「金型がいらない」
設計図を基にした層を積み重ねて造形していく
立体の造形物を簡単に作成できるプリンター、作成機械のこと。立体の構成データ、CADを入力することで、簡単に立体の構成物を作ることができる。3Dプリンターの販売も好調な上に、データを入力するだけで立体物を作ってくれるサービスも人気(Amazon、DMMなど)
・各社から3Dプリンターが発売され大きなブームに
・簡単なものでは数万円から、本格的なものでも10~20万円で発売されている
・日本では具体的にはフィギュアが人気
・産業用ではプロトタイプの製品を作るのに利用されている
・著作権の問題も
・CADデータを作るビジネスが大きく注目されている
フィギュアやプラモデル、スマホケースづくりなど個人の趣味として広がる可能性も秘めている。フィンランドのノキアは、最新スマートフォンの発売に合わせ、市販の3Dプリンターを使ってスマホケースをつくるためのデータをウエブサイトで配布している。デザインのカスタマイズも自在で、約1時間30分ほどで造形できるという。
http://diamond.jp/articles/-/38119
★ウェアラブルコンピュータ
身につけて使うコンピュータ。サムスンのGalaxy Gear(腕時計型)、GoogleのGoogle Glass(メガネ型)など。2014年-16年で普及が見込まれる
・Appleも「iWatch」を開発中とのうわさ。腕時計型のウェアラブルコンピュータは14年のトレンドになる可能性あり
・Google Glassは、カメラ搭載、現実の姿にネットを融合させる形として注目されている
・日本国内ではNTTドコモやアルプス電気などが試作機を出している
・ただしスマートフォンの延長では、普及は見込めない。スマートフォンこそが現在最強の「身体性の強いコンピュータ」であり、それで十分足りているから。
・Google Glassのように、現実社会の上に情報を載せていく、ネットと現実を融合させる形のほうが新しい形として伸びる予感
・普及の決め手はゲームとエロか(笑)
電脳メガネ『Telepathy One(テレパシー・ワン)』
発表者は「セカイカメラ」を生み出した井口尊仁氏
★「ビックデータ」の暗雲
IT業界で大きく注目されたビックデータ。ユーザーの様々な行動データを大量に集めて、マーケティングなどに活かそうとするもの。各社で具体的な取り組みが始まっているが、個人情報侵害を気にする人も多い。
・Suicaの利用情報をJR東日本が販売。説明が足りていなかったとしてJR東日本は謝罪
・NTTドコモのモバイル空間統計。こちらは話題になったが、問題はなかった
・パーソナルデータの利用規程として求めている「適切な匿名化措置」
・特定できるデータか、個人追跡できるものか、がキーポイントとなる
・交通情報のビックデータ分析で、渋滞を解消できるか?
★参議院選挙での「ネット選挙狂想曲」
7月の参議院選挙で、ネット選挙活動が解禁。政党、候補者がインターネットでの選挙活動に力を入れ、各ネットサービス・業者も大きな期待をかけた。しかし実際は。。。
・ブログ、Facebook、Twitter、ネット生動画配信などでの選挙活動が解禁に
・公示日以降も活動できるようになった
・しかし思ったような効果は出てない(ネット選挙だけで戦った候補者の苦戦、ネットでの人気と得票数の乖離など)
・期待が大きかっただけでに、実際の効果の薄さに「ネットはダメだ」との声も
・ただし一部の候補者は、生動画配信やツイッターなどでの政策訴えにより、得票に結びついた(と思われる)例もある
・ネット選挙活動に問題があるのではなく、政策本位で戦わない日本の選挙自体に問題があるのかもしれない
★iPhone5S、NTTドコモからも発売。
アップルのスマートフォン、iPhone5Sが9月に発売。日本では初めてNTTドコモが発売し、これで日本の大手3社がすべて扱うようになった。指紋認証や高速なCPUなどで注目を集め、世界で3400万台と過去最高。
・廉価版のiPhone5cも登場→途上国での販売を強化
・低価格のAndroid(中国など)に対抗する形
・日本国内では「iPhoneのみ売れる状況」、10月のスマートフォンシェアの76%がiPhone
http://news.livedoor.com/article/detail/8295200/
・そのうちの61%がドコモと順当なシェア
・各社が端末、料金の値下げ合戦に動いたことも理由の1つ
・ちなみに国内各社のシェアは以下の通り ドコモは相変わらずのシェア微減。iPhone5s導入が起爆剤とはならなかった
NTTドコモが40.9%(前期比▲0.6ポイント、前年同期比▲2.4ポイント)
KDDIが25.9%(前期比±0ポイント、前年同期比+0.2ポイント)
ソフトバンクモバイルが22.6%(前期比+0.2ポイント、前年同期比+0.9ポイント)
★ネットバンキング被害、11月までで11億8千万円
ネットバンキングの暗証番号を盗み取られて、口座からお金を盗み出される被害が続発。史上最大の11億8千万円の被害が出ている。13年前半から新しい手口が出ていること、日本が徹底的に狙われていることが原因。
・以前は偽の銀行サイト・表示に誘導する形=フィッシング詐欺、このパターンではそれほど大きな被害が出なかった
・しかしウイルス感染型が出てから、急激に被害拡大。正規サイトを開くと、その上に偽のポップアップを出す。URLを自分で入力しても出てしまうので、騙される人が多かった
・銀行を狙うウイルス「Zeus(ゼウス)」によるもの
・日本向けにカスタマイズされたもの。日本を狙う組織的な犯罪グループが暗躍している
★PC向けネットゲーム「艦隊これくしょん」の熱狂的ファン拡大
戦艦・空母・駆逐艦などの軍艦を、美少女に擬人化したブラウザゲーム。130万人を突破し、常にサーバーが満員となっている。
・萌え系の美少女キャラ=軍艦が、敵と戦うゲーム
・比較的、史実に忠実。各艦船の実際のエピソードに基づいたキャラクターになっている(爆発事故を起こした戦艦・陸奥は「火遊びが嫌い」と発言したり、高速の駆逐艦・島風は足が速いなど)
・関連するグッズ、フィギュア、アンソロジー本などが爆発的に売れている
・「擬人化」は最近の人気ゲームのトレンドで、戦車を擬人化した「ガールズパンツァー」、兵器を擬人化した「ストライクウィッチーズ」などがある
・面白いのは「ヒットゲームの要因」と言われていたファクターとは逆行していること。スマートフォンで出来ない、ソーシャルゲーム的な機能が一切ない、課金要素が少ない(グッズ収入がメインか?)など、常識をくつがえす作りとなっている
・運営側(DMM・角川)はヒットを考えていなかった(サーバーが貧弱)
・昨年のヒットキーワードであった「スマホゲーム、パズドラ」とは好対照
その他
★NSA(アメリカ国家安全保障局)によるネット監視
エドワード・スノーデンによる告発。
バウンドレス・インフォーマントが要約表示するのは、電子メールやインスタントメッセージの内容よりもメタデータ
●PRISM(プリズム)
各事業者のバックドア
ウェブ情報の監視プログラム
PRISM (監視プログラム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/PRISM_(%E7%9B%A3%E8%A6%96%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0)
バックドア
チャット、動画、写真、ファイル転送、ビデオ会議、登録情報などを監視
●UPSTREAM(アップストリーム)
米の傍受、海底ケーブル通じ NSA、全世界の通信対象
http://www.asahi.com/articles/TKY201310270368.html
●「エックス・キースコア(X-Keyscore、XKS)」
解析、関係性
遠隔操作事件 FBI依頼 メールの送信元IP以降の追跡・解析
Torの先
メタデータ、誰がどこからどこへいつ、関係性、つながり、
NSAを巡っては、グーグルやフェイスブックなどの通信事業者の協力を得て業者のデータベースから情報を取り込む「プリズム」が明らかになっている。
http://n-seikei.jp/2013/10/post-18511.html
、「エックス・キースコア(X-Keyscore、XKS)」と呼ばれるプログラムが存在し、NSAがきわめて大規模に個人情報を集めていることを伝えた。
それによると、XKSは、「プリズム(PRISM)」をはじめ、NSAが独自に開発した情報収集プログラムの一つであり、電子メールやチャットの内容、訪問したウェブサイトの閲覧記録、検索履歴などの情報を集めることが可能であるという。こうした情報の中からメールアドレス、名前、電話番号、キーワードなどを使って検索し、目的の情報を見つけることができるシステムも整備されていて、NSAの分析官は、そのシステムを通じて電子メールやチャットの内容を読み、別ルートでNSAが収集した情報と照らし合わせることもできたとしてい
★スマートフォン普及率拡大、高校生は8割以上との統計も
・高校1年生で8割がスマートフォンを持っているとの総務省統計
・雑誌、テレビ、書籍の売上減の原因に
★大量の不正ログイン事件
・大手プロバイダ、Yahoo!、mixiなどでの不正アクセス→不正ログイン事件
・ユーザーの「パスワード共通化」が原因
・ネットサービスが多すぎて、パスワードを覚えきれない
★スマート家電、 Internet of Things(モノのインターネット)
・スマートテレビ
・冷蔵庫や照明など家電をネットで制御
・商品のタグ、工場のパーツ、すべて1つの1つにIPアドレスをつけて管理
・日本では自動販売機がもっとも普及が早い
★Twitter炎上「不適切」画像ネット投稿。ツイッターで冷蔵庫に入るなど
ツイッターなどで、飲食店の従業員が「冷蔵庫に入った写真」「食べ物を粗末に扱う写真」などを投稿。ツイッターなどで大きな問題に
・アルバイト従業員などの悪ふざけ画像
・ツイッターにウケ狙いで、仲間内だけと思って投稿してしまう
・損害賠償、お店の閉店にまで発展した
・プライベート、仲間うち、ネットの公共空間を混同してしまっている
・LINEで仲間に見せた画像がツイッターに流れてしまうことも