Googleグループ各省庁の「内部メール公開」はなぜ起きたか
Googleグループで、各省庁や企業が情報を公開してしまっていたことが発覚しました。そもそもGoogleグループとは何か、なぜ公開されていたのかメモにまとめます。
グーグルグループで環境省・国交省・復興庁・農水省などのメールが公開されていた
デフォルトが公開だもんなー。Googleなんとかしてほしい/内部メール誰でも閲覧「グーグルグループ」利用 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://t.co/Ff002Ee0IV
— 三上洋 (@mikamiyoh) July 9, 2013
報道したのは2013年7月10日の読売新聞朝刊。Googleの「Google Group(グーグルグループ)」でのやりとりが、一般に公開され、誰でも見られるようになっていたのです。
・環境省:国際交渉の打ち合わせ、公表前の大臣談話など
・国交省:未公表の整備計画
・政党:支持者名簿
といったものが公開になっていました(読売新聞の報道による)
Googleグループとは、メーリングリストの進化版
Googleグループとは、一言でまとめると「メーリングリストの進化版」です。
複数の人で同時にメールのやり取りができるのがメーリングリストで、専用のアドレスに送信すると、登録者全員に届く仕組みになっています。
このような設定画面で、誰でも簡単に開設できます。
ところが一つ問題がありました。「誰でも、ウェブ上で見れてしまう」のです(デフォルト設定の場合)
ウェブ上から検索すれば見れてしまう
通常のメーリングリストは、登録者しかメールがいきませんから、一般の人が見ることができません。
しかしグーグルグループは、ウェブ上でメーリングリスト(グループ)検索でき、かつ初期設定だと「すべての人に公開」になってしまっていたのです。
これが設定画面。「トピックを表示」が「すべてのユーザー」になっています。メールの内容がすべてウェブ上で公開されてしまう設定です。
Googleの悪い癖ですが、これがデフォルトになっています。誰でも見られる状態でメーリングリストが開始されてしまうのです。
また上記のようにグループ自体の存在を公開するかどうかの設定もありますが、デフォルトはやはり公開(ディレクトリにグループを公開)になっています。
クローズなつもりのメーリングリスト運用が公開に
メーリングリストは各省庁で古くから内部の意思疎通に使われていました。
またGoogleグループでは、ファイル共有などもできるため、グループウェア的に作業をするのにも使っていたそうです。
ところがメーリングリスト=登録者だけが読むもの、という先入観があったため、設定を気にせずに使っていた人が多いようです。そのために各省庁や企業のグループが公開されていました。
Googleグループを非公開にする設定
グループを開設したオーナー、もしくは指定した管理者が設定する必要があります。
・右上の管理をクリック。左の権限で「基本的な権限」の「トピックを表示」で「すべてのユーザー」のチェックマークを外す
・同じく管理、左の情報にある「ディレクトリ」で、「ディレクトリにグループを表示する」のチェックマークを外す
これでメールの内容は登録者のみとなり、メーリングリスト自体の存在も、わからなくなります。メーリングリストにGoogleグループを使っている人は、いますぐチェックして下さい。