「お湯で予防」のチェーンメールについてコメントメモ


新型コロナについて「お湯で予防」などのチェーンメール・デマが流れています。ネット番組・AbemaPrime向けのコメントメモを残しておきます。

● コロナに関するガセの情報が、近しい人からチェーンメールのような形で来ることが話題になっており、 なぜ、近しい人から連絡が来るのでしょうか?

「チェーンメール」の基礎知識
・チェーンメールは電子メール普及当初からある
・社会的問題・不安が広まるときに必ず出回る
・現在ではSMSのDMで大きく広まることが多い

・チェーンメールの多くは善意によるもの
・「この情報を伝えたい・拡散したい」という気持ちから広がる
・今回のチェーンメールも善意で「こうすれば新型コロナを避けられる」というデマが伝わったもの
・そのため友人間で伝わっていき静かに拡散していく
・チェーンメールについては学術研究も進んでいる

『うわさが走る 情報伝播の社会心理』サイエンス社 セレクション社会心理学 1997
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E4%B8%8A%E5%96%84%E9%83%8E

●少しずつ内容も違い、バリエーションがあるので、この内容を拡散させてどうしたいのか?

・伝言ゲームが発生している
・個人間で伝わるためメールの内容を改変する人が出てくる
これも多くは善意で付け加えたり、わかりやすくしたり
・そのため内容が少しずつ変化するのがチェーンメールの特徴

・チェーンメールは進化する
・おおげさな表現、わかりやすい治療法が書かれているほど「これは大変。伝えなくちゃ」という心理で広まる
・つまり「人間を不安にさせる」「簡単に安心できる」内容ほど広まる
・そのため客観的な注意喚起は広まらず、おおげさで感情的なものほど広まってしまう
・結果としてチェーンメールは改変され「よりおおげさで感情を煽るもの」ほど広まっていく

●どの層がターゲットになりやすいか?
・漠然とした不安を感じている層
・情報を見極める力がないため、素直に信じてしまう層
教育レベルも関係するかもしれない
・ネットなどの情報をうのみにしてしまう人
複数の情報ソースをあたることをしない人

●どんな人がどのような目的で行っていると考えられますか?
・当初は善意で始まる個人的な注意喚起
・それをコピペで広めていく善意の人が広めていく
・善意のため扱いが非常にむずかしい

●対策
・信頼できる報道機関、公的機関の注意喚起を信じること
・「これはまずい」「これは友人に教えてあげなくちゃ」と感じたら、一瞬でいいので踏みとどまること
・事実はあるか確認する
・拡散・送信するのをやめること

●なぜtwitterなどのSNSではなく、メールで送っているのか?
・メールしか見ないユーザーがメールで拡散するため
・SNSでは訂正や反論が来やすいので拡散は止まることが多い
・その結果、間違った情報がメールだけに生き残ることになってしまう
つまりSNSでもメールでも流れているがメールは長く残ってしまう


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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
Twitter:mikamiyoh
Facebook:Yoh Mikami
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