孫・トランプ会談の背景は?ソフトバンクの野望とトップビジネスの恐ろしいスピード:出演メモ


孫正義氏とトラプン大統領の突発会談は、衝撃的でした。
この件について、ネット番組ホウドウキョクの「あしたのコンパス」で話すことになり、あまりにもわからない事態なので、メモを作りました。メモを自分の記録のために上げておきます。

孫正義トランプ会談について:ホウドウキョク「あしたのコンパス」
2016年12月8日 三上メモ

●あまりに寝耳に水
・これから三上が話すことは99%推測。
・他の新聞・メディアも、推測しかできておらず、本当のことは誰もわかっていない

・それほど突飛で、予想しない事態だった

→孫正義氏、本人の頭に浮かんだのも、トランプ当選以降、ごくごく最近のことだろう

→孫正義氏本人の頭の中にしか、この件の詳細はないだろう
いつものことではある。孫正義氏本人しかわからず、巨大なディールを行う

●孫トランプ会談は「スプリント・Tモバイル合併に有利にするため」との報道があるが、孫氏は重要視していないのではないか
・スプリントとTモバイル合併を、オバマ政権に阻止された形
スプリントの事業は伸びているものの、苦しんでいる
・アメリカでのモバイル事業は、あきらめかけているのではないか?
ソフトバンクグループの「エリート」たちの動き(後述)
・もちろん合併交渉を有利にしたいという思いはあるだろうが、いまさら感が否めず
理由としてあったとしても、おまけ程度ではないか?
・アメリカのモバイル市場はすでに飽和であり、成長産業ではないことも一因

●2ショット写真でわかる一つだけの事実「FOXCONNフォックスコン=鴻準(ホンハイ)精密工業」の意味

・パワポの中身
ソフトバンクが500億ドル、Foxconnが70億ドルを投資
5万人の雇用を創出、4年以内に。

・フォックスコンの米国内での投資計画
鴻海は「投資規模は未定だが、当社首脳と米関連当局との直接協議が完了後に詳細を明らかにする」「米国での事業拡大に向けた投資機会の評価を進めている」との声明

・推測できる内容
フォックスコンがアメリカに工場進出
その資金をソフトバンクのファンドが5兆円出す
サウジアラビアのムハンマド副皇太子と設立する10兆円ファンドからの出資か
参考:ソフトバンク、「10兆円ファンド」設立の驚愕
http://toyokeizai.net/articles/-/140519

●トップ外交によるスケールの大きい投資計画に驚愕

・「ムハンマド副皇太子」サウジアラビアに金を出させる
原油価格低下に悩むサウジアラビアは、成長産業であるIT分野への投資を望む

・「郭台銘会長」台湾のフォックスコンの工場グローバル化戦略
アジア偏重だった工場をアメリカにも作ることのメリット(後述)

・「トランプ大統領」アメリカで産業・雇用を創出
経済政策の目玉に。支持基盤であるプアーホワイトの雇用にもなる

→三社の思惑・希望を、マッチングさせるブルドーザーのような孫正義氏の才覚

●大きくなりすぎたフォックスコン。アメリカ進出で活路

・フォックスコン郭台銘会長と、孫正義氏は親しい仲
シャープ買収でも、孫正義氏が助言したと言われている
Yahoo!BBのモデムから、Pepperまですべてフォックスコン生産

・中国、ベトナム、インドなど、低賃金国での委託生産で成長してきた
低賃金での電子機器の生産を請け負う電子機器受託生産 (EMS)がキモ

・しかし「世界の工場」になり為替損益がバカにならない
アジアでの賃金上昇、米ドルとの為替損益が巨大に

・そのためアメリカに工場を持つことはフォックスコンにとって魅力的
為替損益を平準化できる
最大の取引先であるAppleの委託生産でもメリット

●孫正義、ソフトバンクグループの野望を見る方法
・孫正義氏の野望は一貫している
ITで世界を動かすこと

・規模を少しずつ上げてきた
インターネット事業(Yahoo!)→プロバイダ事業(Yahoo!BB)→日本でのモバイル(Vodafone買収、ソフトバンクモバイル)→エネルギー(原子力から自然エネルギー)→アメリカ携帯電話(スプリント)→IoT(ARM買収)

・一点突破で、資金と人間を集中させることで巨大化してきた

・実は社内キャリア=エリートの動きを見ることでわかる
社内のエリートが、モバイル→エネルギー→アメリカ携帯電話と移っていく
Facebookでその人達の動向を見ると、孫正義が「今どこに興味を持っているのか」わかる

・現在はアメリカ携帯電話事業からエリートが戻ってきており、IoTへ進む
ARM買収で、IoT事業に集中させる模様
・フォックスコンへの投資もその一環ではないのか?

参考:ソフトバンク 米への投資10兆円規模のファンド活用へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161207/k10010797931000.html

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ITジャーナリスト・三上洋



セキュリティ、携帯電話・スマートフォン、携帯電話料金、ライブメディアのライター・ジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師
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