W44S発表会レポート EXILE+デジタルラジオ
番号ポータビリティ後、auでは初となる新機種発表が行われました。ソニーエリクソンの新機種・W44Sの単独発表ながら、EXILEが登場する派手なイベントでした(photo by 小沢友幸)。
EXILEが登場。デジタルラジオをプッシュ
今回の目玉は、飛ぶ鳥落とす勢いのEXILE。新ヴォーカルオーディションで入ったTAKAHIRO(田崎敬浩)が加わり、7人組の「EXILE第二章」として登場しました。
いつもなら女性タレント目当てのオヤジカメラマンがいっぱいいるんですが、今回のカメラは異様で各メディアの女性が、個人的なデジカメでパチパチ撮りまくるという変わった撮影になりました。
MCとして赤坂泰彦さんが登場するなど、auのパフォーマンスは相変わらずお見事。発表会・プロモーション・CF・Web広告展開まで、auのメディア戦略はいつもクールです。
2方向に開くW44S。デジタルラジオ+ワンセグで最強
ソニー・エリクソンのW44Sは、横にヒンジが飛び出るという今までにない試みをしてきました。縦に開けば通常の2つ折りケータイですが、横に開くと3インチの高画質ワイド液晶を横型で楽しめる「デュアルオープンスタイル」となっています。ワンセグや新たに始まるデジタルラジオにに最適なビジュアル重視のケータイです。
ワンセグ、アナログFM(EZ FM)、デジタルラジオに対応した最強ケータイと言ってもいいでしょう。
デジタルラジオとは?
デジタルラジオは東京・大阪のVHFを使って行われる新しいラジオ放送です。テレビチャンネルの7ch(VHF)を使うもので、合計8分割(8セグメント)されて各社がデジタルラジオ放送を行います。
8セグメントのうち3セグを使うのがFM東京で、今回のW44S発表会にはFM東京の会長・後藤亘氏も登場して、デジタルラジオの魅力をアピールしていました。
デジタルラジオは試験放送中ですが、W44Sの発売に合わせて12月から出力を上げて放送します。FM東京は3チャンネルの新しいラジオ放送を行うことになっており、開局記念番組として今井美樹さんが登場することもアナウンスされていました。
面白いのはケータイを使わずに、デジタルラジオの電波を使った音楽配信ができること。ラジオ放送に合わせて表示される画面から、放送中の曲などをダウンロードできます。3セグのうちの一部を使って、音楽ファイルを常時配信する形です。ユーザーがクリックするとEZweb経由で配信会社にアクセスし、解除キーをもらうことで音楽を聴けるようになります。無料と有料のコンテンツがあるようです。
今ラジオで聞いている曲を、パケット料ほぼゼロでダウンロードして楽しめるのがいいですね。
ただし今まで行われてきたデジタル音声放送はどこも苦戦しています。CS-PCM、BSデジタルなど、いずれも放送局が撤退している状況。FM東京の挑戦がどこまで続くか、興味深いところです。
LISMOでビデオクリップも配信
W44S登場に合わせて、ビデオクリップを楽しめる「LISMOビデオクリップ」が新たに始まります。着うたフルのフォーマットを拡張し、H.264対応のQVGAサイズ映像を再生できるようになっています。パソコン用ソフト「au Music Port」でバックアップ&再生することも可能です。
このLISMOビデオクリップには、今回の登場のW44Sに加えて、W47T、DRAPEも対応しています。ビデオクリップの販売はレーベルゲートが行い、1曲あたり315円から630円程度になるようです。
今回の発表会で、auの小野寺社長は「番号ポータビリティの反応も上々。今後も他社に先駆けて新サービスを投入していきたい」と語っていました。デジタルラジオについては「ラインナップによって入れていく」とコメントしており、必ずしも全機種に搭載されるわけではないようです。
W44Sの主なスペック
●ワンセグ、アナログFM(EZ FM)、デジタルラジオ
●デュアルオープンスタイル+3インチワイド液晶(BRAVIAの高画質技術投入)
●LISMO、DBEX機能+3Dサラウンドスピーカー
●320万画素カメラ 手ぶれ補正+オートフォーカス
●EZ Felica、EZチャンネルプラス、EZナビウォーク、EZニュースフラッシュ、Hello Messenger、PCサイトビューアー
●発売時期:12月上旬より順次発売
ご覧の通り、現在のau最新サービスをフルカバーしたハイスペックモデルです。唯一欠けているのはテレビ電話のみ。EV-DO Rev.Aではなく、通常のCDMA1X WIN対応のためです。いずれにせよ超目玉モデルとして、売れ筋ナンバーワンになりそうです。